🤑レバレッジファーミングとは?

レバレッジファーミングとは?

次のようなシナリオを考えます。

アリスは農業従事者で、小麦を育て、販売することで利益を得ています。アリスはもっと小麦を育てたいが、お金がありません。隣人のボブがお金を持っていることを知ると、もっと種を買って利益がでたうちの一部をボブに還元することを条件に金を貸してくれるよう彼に頼みに行きました。

この例をレバレッジファーミング(LYF)で考えます。アリスは$1000USDCを持っていて、ボブから$1000USDC借り入れます。するとアリスは$2000USDC分の小麦の種を買うことができます。

アリスはボブに借りた$1000USDCの10%の利息を支払いますが、アリスは$2000USDC分の資産から収入を得られ、これがレバレッジ2倍のファーミングとなります。

投資したリターンは保証されませんので、ボブがアリスに貸した$1000USDCについてはリスクがあることをボブは理解しておかなければなりません。もしアリスに$1000USDC貸さなければ、リスクはありませんが、貸せば毎年10%($100USDC)の利息を得ることができます。もちろんアリスが作付けに失敗したり小麦の価格が暴落すれば利息どころか元本も取り戻せないかもしれません。

ボブは資金を貸し出すときにリスクを抑えたいので、アリスの小麦の価値がある一定程度を下回った場合は小麦を全て売却し、ボブに$1000USDCを返却するようアリスと約束します。これがLYFにおける清算の例となります。

もしアリスがボブからUSDCの代わりに小麦を借りた場合はどうなるでしょうか。資産価値は小麦によるだけではなくなるのでしょうか。

LYFにおけるロング/ショート/ヘッジ

上述した例はLYFの一般的なユースケースを表していて、特定の資産を借り入れたり、ロングした場合にファーミング収入を増やすことができます。また、流動性を提供することがDeFiで最も一般的なユースケースとなります。LYFを理解するためにステーブルペアをモデルとして考えてみましょう。

トークンAとステーブルコインであるUSDCをモデルとしたとき、PをAのUSDCで表した価格とします。USDCをN所持していて、トークンAの価格がP₀、レバレッジをYとしてLYFを行った場合、以下のような流れとなります。

  1. 1N(Y-1) USDCをレンディングプールから借り入れ

  2. NY/2 USDC(全USDCの半分)をトークンAにスワップ

  3. トークンAとUSDCを預け入れ

  4. LPトークンをファーミングプールに預け入れ

ポジションを閉じるときは次のようになります。

1.すべてのLPトークンを償還

2.トークンAを売却

3. N(Y-1) USDCを返却

4.残りのUSDCが利益

AMMの式から、価格がPになったときLPトークンを償還して引き出せるUSDCの量は

よって利益は

トークンAをXロングすることで得られる利益はX(P-P₀)となり、一般性を失わずに、P₀=100とした場合には下記のようなレバレッジに応じたパフォーマンスとなります。

しかし、LYFはこれだけではありません。抜け目ないトレーダーならば、あるトークンの価格が一定期間のうちに下落する場合、利益を得る最善の方法はトークンをショートすることだと考えるでしょう。トークンAの価格をP₀、トークンAをX借りてすぐに売り、トークンBをY購入した場合、トークンAの価格がPに下落したときにトークンAを買い戻して、X返却すると利益はX*(P₀-P)-借入利息となります。LYFでは少し違いがあり、トークンAをX所持し、レバレッジ3倍のポジションを開いた場合、レンディングプールからトークンAを2X借り入れ、全トークンAの半分である1.5XがトークンBにスワップされ、トークンAがショートされた状態となります。ショートポジションでは価格下落により利益を得られますが、イールドファーミングではLPトークンも加えて獲得できます。LPトークンの価格は平方根で計算されるため、ある資産をショートするより安全な方法となります。これがショートするために良い方法だと理解するために、上記と同様のモデルを使ってLYFにおけるショートポジションのパフォーマンスを示していきます。トークンAをM所持していて、価格がP₀、レバレッジをYとしてLYFを行った場合、以下のような流れとなります。

1.M(Y-1)のトークンAをレンディングプールから借り入れ

2.MY/2(全トークンAの半分)をトークンBにスワップ

3.トークンA,Bを預け入れ

4.LPトークンをファーミングプールに預け入れ

ポジションを閉じるときは次のようになります

1.すべてのLPトークンを償還

2.トークンBをトークンAへスワップ

3. M(Y-1)のトークンAを返却

4.残りのトークンAが利益

AMMの式から、価格がPになったときLPトークンを償還して引き出せるトークンAの量は

LPトークンの価値は

ポジションを閉じたときの利益は

通常のショートポジションでの利益は

一般性を失わずに、P₀=100とした場合には下記のようなパフォーマンスとなります。

図よりLYFのカーブのほうがより緩やかなのがわかると思います。つまりLYFでは価格の上下に対するリスクを減らすことができます。レバレッジが2倍を超えてくると、ある範囲では利益が通常のポジションを超えてきますが、価格の上下変動などの要因によりリスクが増加します。単純な戦略のようですが、考慮していないファーミング利回りやセルフアジャストレバレッジが残っています。LPトークンが利回りを生み出し、それが再投資され、借入トークンの割合は相対的にだんだん小さくなり、レバレッジも減っていきます。例えば、トークンAが短期間で変動しない場合、LYFはマーケットボラリティに対してより強くなります。一定のAPRの下でのオートコンパウンドモデルの利益を下記のように表せます。

レバレッジイールドファーミング:

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